ボタンホール穿刺とは?
透析をするにあたり穿刺は避けて通れません。針を刺すことが好きと言う人はまずいないでしょう。そうです、苦痛でしかないのです。 何とかその苦痛を緩和するために当院で実施している一つの方法としてボタンホール穿刺があります。では、そのボタンホール穿刺とは一体どのようなものなのでしょうか?わかりやすく説明していきます。
ボタンホールとは針を刺すための穴(ホール)です。要するに、皮膚からシャント血管までのトンネルのことを言います。トンネルができているので、通常の尖っている針ではなく、先の丸い針で穿刺することにより痛みが緩和される、この方法をボタンホール穿刺と言います。



では、そのトンネルをどのようにして作るのでしょうか?
約2〜3週間程同じ場所からの通常穿刺を繰り返します。そうすると、皮膚からシャント血管までの間に通路ができます。これをトンネルと言います。ピアスをイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
トンネルが完成したら、先ほど説明した専用の先端の丸いボールペンのような針で穿刺をします。完全に痛みはなくなりませんが、ほとんどの患者さんから「痛みがマシになった」と言ってくれています。その他、シャント血管にやさしい・シャントが長持ちする・止血時間の短縮などのメリットがあります。
予め、かさぶた(瘡蓋)をできる限り取り除いておいて下さい。
挿入口だけでなく周辺部位についてもポビドンヨード液やクロルヘキシジンなどで入念に消毒して下さい。※挿入口(ボタンホール)を中心に直径6センチ程度の円内を清拭してください。





しかし、その一方デメリットもあります。
通常穿刺に比べてシャント関連感染症が多いと言われています。穿刺手順にも書かれていますが、まずかさぶた(痂皮)を除去しますが、これが不十分であったり消毒の不徹底があると感染の可能性が大きくなります。
当院では感染を防ぐために、かさぶたの除去を十分にし、穿刺部の消毒を徹底しています。
他にも血管が細くて何度も穿刺を失敗されたなどの場合にボタンホール穿刺を考慮します。血管の形状や状態によりボタンホールが作成できない場合もありますのでご了承ください。