血液透析│人工透析の種類

血液透析とは

血液透析とは人工透析の一つの方法で、腎臓の機能が低下することによって血液中に過剰に含まれるようになった水分や老廃物を専用の機器で人工的に取り除く治療方法です。

私たちの腰のあたりには左右対になって2つの腎臓が存在しています。
腎臓の主な働きはは、体中を巡って余分な水分や老廃物を含んだ血液から尿を作ることです。このため、腎臓の機能が著しく低下すると血液中に余分な水分と老廃物がどんどん溜まっていき、生命を維持していくことが困難となります。一般的に、腎臓の機能が健康な方の10~15%にまで低下すると生きていくことが難しくなるため、人工的に腎臓の機能を補う治療が必要とされています。

透析もそんな治療の一つで、特に血液透析は、血管に針を刺して身体の外に血液を取り出し、その血液をダイアライザー(透析器)と呼ばれる「人工腎臓」に流すことで水分や老廃物を除去。キレイになった血液を再び体内に戻すといった方法がとられています。

「血液を身体の外に出す」というと驚かれる方も多いですが、取り出して透析装置を流れてキレイになった血液は次々と身体の中へ戻っていきますので透析中も読書やテレビ鑑賞、軽めのフィットネスなどをお楽しみいただけます。

現在、日本国内で行われている人工透析としては血液透析が主流であり、全透析患者さまの96.9%は血液透析で治療を行っています。
しかし、血液透析は専用の機器を使用するため透析を行うには通院しなければなりません。
また、健康な方では24時間働いて余分な水分や老廃物を取り除いている腎臓の働きを補うためには週に3回、一回当たり3~4時間の透析が必要となります。
このため、社会生活に支障を来すケースも少なくありません。

血液透析の仕組み

血液透析は、一旦体外に取り出した血液から専用の機器を用いて余分な水分と老廃物を除去し、再び体内へ戻す透析方法です。
血液透析で使用される専用の機器はダイアライザー(透析器)と呼ばれ、人工的な腎臓の働きをするもの。
身体の外へ出された血液はこのダイアライザーの中を流れます。ダイアライザーの中で血液が流れる管は「透析膜」という特殊な膜でできており、透析膜を隔てた液体は濃度の高い方から低い方に水分や電解質などが移動していく性質を持ちます。
血液透析ではこの性質を利用し、血液が流れる管の周りに血液より濃度の薄い「透析液」を循環させることで血液中の余分な水分や老廃物を取り除いているのです。

ダイアライザーの中を巡ってキレイになった血液は再び体内に戻されていきますが、血液透析では1回あたり3~4時間かけてこの循環を繰り返し、身体に溜まった水分と老廃物を少しずつ取り除いていきます。

なお、一般的なダイアライザーでは1分間の間に200mlもの血液を血管につないだ針とチューブで取り出します。
このため、血液透析を受ける方は、より多くの血流を確保できるよう腕の動脈と静脈をつなぎ合わせた太い血管「シャント」を作る手術を受けていただく必要があります。
手術自体は1~2時間で終わり、局所麻酔で行いますので身体に大きな負担をおかけすることはありませんのでご安心ください。

血液透析のメリット

小さい分子量の物質の除去に優れている

透析液と血液の濃度の違いを利用せず、体外に取り出した血液に圧力をかけることで血液をろ過して水分や老廃物を除去する「血液ろ過」は、分子量に関係なく一定濃度の物質を除去できますが、小さな分子量の物質は除去しにくいのが特徴です。

一方、血液透析(HD)で使用するダイアライザーの透析膜は小さな分子量の物質も除去することが可能です。

短時間で効率よく老廃物や過剰な水分を取り除くことが出来る

血液透析は腹膜透析の一種であるCAPDなどと異なり、一日中透析をする必要はありません。一回の透析は3~4時間で終えることができますので、効率よく治療を受けることができます。

もちろん、透析を受けていない日は通常の生活が可能です。また、血液透析を受けるために必要な「シャント」も特別な管理は必要ありませんので、煩わしい自己管理なく治療を続けていただくことができます。

血液透析のデメリット

血圧低下、筋痙攣、不整脈などの症状がでる場合がある

血液透析は血液から人工的に水分や老廃物などを急速に取り除くため、様々な身体の不調を引き起こすことがあります。
最も多い合併症は、急激に体内の水分が失われることによる低血圧です。また、長期間血液透析を続けていると透析後だけでなく慢性的な低血圧に陥ることもあり、立ちくらみやめまい、ダルさといった症状に悩まされるケースも少なくありません。

また、水分が失われることでいわゆる「足のつり」とも呼ばれるこむら返りが起こりやすくなる方もいらっしゃいますし、水分と同時に電解質も除去されますので不整脈が起こりやすくなるとされています。

通院しなければいけない

血液透析を行うには専用の機器が必要です。また、急速に水分や老廃物を取り除くため体調の変化が起こりやすく、医師や看護師の適切な観察の元で行うことが望ましいと考えられます。このため、血液透析をご自宅で行うことはできず、必ず透析設備のある医療機関で治療を受けなければなりません。

また、血液透析を行っても身体の中には次々と余分な水分や老廃物が溜まっていきますので少なくとも週に三回は透析を受ける必要があります。
このため、血液透析を行っている方は学業や仕事に大きな支障を来しているケースも多々あり、社会生活に影響を与えやすいのもデメリットの一つです。