オンラインHDF│人工透析の種類

HDFとは?血液透析(HD)との違い

HDF(血液ろ過透析)とは、人工透析方法の一つです。
現在、人工透析が必要な患者さまの約95%は血液透析(HD)と呼ばれる方法によって治療を受けています。血液透析(HD)は、「透析膜」と「透析液」を利用して血液中に含まれる老廃物や余分な水分を取り除く透析方法です。
「透析膜」には濃度の違う液体を隔てると、濃度の高い方の液体から低い方の液体へ水分や電解質などが染み出す性質があります。
血液透析(HD)では、一旦体外の透析装置の回路に出された血液が、この「透析膜」でできた細い管の中を流れます。
「透析膜」の外側には血液よりも濃度の薄い「透析液」が流れているため、血液中の余分な水分や老廃物は「透析液」に移動することに…。
その結果、血液中にたまった水分や老廃物を取り除くことができるのです。

一方、人工透析には血液ろ過(HF)と呼ばれる方法も古くから行われています。
血液ろ過(HF)は、「圧力」を利用した透析方法で、体外の透析装置の回路に出された血液に適度な圧力をかけてろ過することで余分な水分や電解質を取り除き、同時に失われて不足する成分を含む「補充液」を体内に注入します。
つまり、血液透析(HD)のように血液をキレイな状態に戻す治療ではなく、余分な水分や老廃物を含む体液を取り除いて新しい体液に「取り換える」治療法なのです。

どちらにもそれぞれメリット・デメリットがありますが、HDF(血液ろ過透析)は血液透析(HD)と血液ろ過(HF)を組み合わせた透析方法です。
身体を維持するために必要な電解質などを含む補充液を取り出された血液に注入しながら行うことでより効率よく大量の血液をろ過・透析することが可能となります。
そのため、一度の透析で通常の血液透析(HD)や血液ろ過(HF)よりも多くの水分や老廃物を取り除くことが可能となるのです。

また、HDFにはオフラインHDFとオンラインHDFの2つの方法があります。

オンラインHDFとは

HDFでは、効率よく血液のろ過を行うため体内に必要な電解質などが含まれた補充液を補液しますが、補液の仕方によってオンラインHDFとオフラインHDFの2つの方法に分けられます。

まず、オンラインHDFでは、血液透析に必要な「透析液」をそのまま補充液として体外に取り出された血液に加えて透析・ろ過が行われます。すべて一つの大きな装置の中で行われるため「オンライン」と呼ばれており、一度に大量の補充液を加えることができるのが特徴です。

一方、オフラインHDFは体外に出された血液を一旦透析・ろ過して余分な水分や老廃物を大量に除去し、足りない水分や電解質などが含まれた補充液をプラスして体内に戻す方法です。
補充液は通常の点滴バックや瓶などのように小さな容器に入れられて外部から装置の中に流入されるため「オフライン」と呼ばれています。
一度の治療で加えられる補充液の量にはオンラインHDFより少ないため、オンラインHDFの方が置き換えられる体液の量が多くなります。

オンラインHDFのメリット

様々な大きさの老廃物などを取り除くことが出来る

人工透析のやり方には様々なものがありますが、それぞれ血液中から取り除くことができる老廃物などに得意・不得意があります。
まず、血液透析(HD)は透析膜と透析液を利用して血液中に含まれる余分な水分や物質を取り除く方法です。このため、タンパク質などの大きな分子は除去されにくく、より小さな分子の方が除去されやすいという特徴があります。

一方、血液ろ過(HF)は血液に圧力をかけて、血液中に不要な物質を取り除く方法であるため血液透析(HD)では除去しにくい大きな分子も取り除きやすいのが特徴です。
HDFは血液透析(HD)と血液ろ過(HF)それぞれのメリットを取り入れた方法であるため、大小さまざまな分子を取り除くことができます。

より多くの老廃物を取り除くことが出来る

HDFは従来の血液透析(HD)や血液ろ過(HF)より多くの種類の分子を血液中から効率的にろ過することができます。
特にオンラインHDFは、血液を透析・ろ過する前段階で大量の補充液を加えて血液を薄めるため、より高い圧をかけて血液をろ過することが可能です。
このため、より多くの老廃物を取り除くことができると同時に、サイズの大きなタンパク質も効率よく取り除くことができるのです。
また、血液透析で起こりやすい水分の急激な喪失による血圧低下などの合併症の発症を抑えることもできます。

オンラインHDFのデメリット

透析液の管理にコストがかかる

オンラインHDFは従来の人工透析方法と比べて血液中から除去できる物質が多く、合併症も起こりにくいため優れた治療方法であるといえます。2012年には保険適応となり、祐青会グループでも多くの患者さまにオンラインHDFを導入しております。

しかし、オンラインHDFは血液を薄めるために使用する補充液(透析液)の管理を怠ると敗血症など命に関わる重大な合併症を起こすことがあります。このため、治療に使用する機器や透析液が厳重に管理することが必要です。

また、通常の血液透析装置よりも大掛かりな装置が必要となります。設備投資や維持費管理のコストが高く、透析を行う医療機関すべてに設置されているわけではありませんので、治療を受けられる医療機関には限りがあります。

身体に必要な物質まで取り除いてしまう

オンラインHDFは大小さまざまな分子を取り除くことができるのが特徴ですが、身体の維持に必要な分子量の大きい物質まで取り除いてしまうことがあります。

とくに問題となるのは、肝臓などで合成されるアルブミンと呼ばれるたんぱく質が除去されてしまうことです。
アルブミンは体液の浸透圧を維持する大切な役割を持つため、アルブミンが大量に除去されて不足してしまうと、むくみなどの症状が引き起こされます。
また、ひどい場合には栄養失調を起こすことも少なくありません。