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上顎洞底挙上手術について

6月もいつものようにサイナスリフト(上顎洞底挙上手術)を数件行ったのですが、最近当院でサイナスリフトを受ける方は、なぜか洞底部の形態がフラットではなく隔壁が存在するケースや、洞粘膜が非常に薄いケースが多いように思います。とても神経を使いながら手術を行っています。 前回までお話ししたのは、低侵襲のフラップレス手術でしたが、このサイナスリフトだけはフラップレスは不可能です。洞粘膜の挙上が正確に適切に行われたかどうかを直視しなければ、絶対にいけないと思います。 上顎洞底挙上手術は、抜歯窩から垂直的にアプローチするソケットリフトと、上顎の骨の側方から窓開けしてアプローチするラテラルウィンドウテクニックという2つの方法が代表的です。 私は100%、ラテラルウィンドウテクニックで行っています。その理由は、洞粘膜の挙上を正確に失敗なく行ったことを確認できるからですが、やはり患者さんの外科的侵襲度は少し高くなり、手術時間も長くなります。それでも長期的に考えると、非常に良い結果が得られると確信しています。 術前の患者さんへの問診では、術後の少しの痛みと腫れはありますが必ず治り、ソケットリフトに比べてラテラルウィンドウの方が安心で安全な医療を提供できると説明しています。その結果、多くの患者さんから同意を得て、良い結果につながっています。 当院の統計によると、上顎臼歯部に行うインプラント治療のうち、約6割の患者さんはサイナスリフトが必要だということがわかっています。 それと同時に、将来の展望としてショートインプラントの開発が盛んに進められています。今年の7月からデンツプライシロナ社より、オッセオスピードTXにかわり、オッセオスピードEVという新製品が発売されました。 短いインプラントで強度が増すということですが、すぐに当院の臨床で導入するということではありません。これまで20年間以上当院で行ってきたサイナスリフトという治療法は非常に予知性が高く、世界的な骨造成のコンセンサスも得られています。引き続きこの方法で治療を行っていくつもりです。
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