院長ブログ

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他院で埋入したインプラントの上部構造がぐらつくと相談を受けた症例

60代の男性です。他院で埋入したインプラントの上部構造が、ぐらつくという主訴で来院されました。 前の先生には申し訳ありませんが、埋入角度が不適切でかなり唇側に傾斜していました。 当院にはいろいろな患者さんが来院されます。中には、他院で埋入したインプラントの修理、作り直しもあります。そういったケースは、前医がどのインプラントを埋入したかを確実に知っておかなければ、適切な対応ができません。 現在はインプラントメーカーのネットワークができていて、ユーザーである医師にはとても協力的です。前医が入れたインプラントの修理などに使用するドライバーや手術用の器具は貸し出しもしてくれます。 このようなインプラントメーカーのネットワークは、大手メーカーではしっかりと確立されています。例えば、ストローマン社、ノーベル社、デンツプライシロナ社、3i社などです。 ただ最近、アジアで作られた低価格のインプラントが多数輸入されていて、それらがよく口腔内でトラブルを起こしているケースを見かけます。 こちらの患者さんの場合、1年前にインプラントを埋入したそうですが、入れてすぐに上部構造がぐらついたということです。 どんなメーカーのものなのか私の友人で、某メーカーの方に調べてもらったところ、あるアジアのメーカー製のインプラントであることが分かりました。 歯科医院または歯科医が海外から個人輸入し、輸入した製品を患者さんの同意のもとで使うことは法的に問題がないということです。 ただ、こちらの患者さんのケースでは、同意書の作成やインフォームドコンセントが充分に行われていなかったようです。 当院ではこのインプラントをどうするか、患者さんご本人とよく相談しながら治療を進めております。場合によっては撤去して、当院で使用しているインプラントに入れ替えることも考えています。 では、なぜこのようなことが起きるのか。世界の大手メーカー製のインプラントは高額です。そのため治療費も高額となってしまうのです。また、インターネットが普及し患者さんはいろいろな情報を手に入れることができるので、「どうせやるなら安いところでインプラント治療を受けたい。同じインプラントなら、安い方が良い」と低価格の治療を選ぶことも少なくないようです。 ただ、安いのには理由があるわけですから、よく調べてどこのメーカーのインプラントを使用するのか、そしてそのメインテナンスは充分にしてくれるのかなど、情報をしっかりと入手してから治療を受けていただきたいと思います。
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