前歯部に大幅な骨造成を行い3本のインプラントを埋入して審美補綴を行った症例
60代の男性です。3か月ほど前に、前歯部に骨造成を行い、インプラントを3本埋入しました。
非常にきれいに出来上がり、とても喜んで下さいました。と言うのも、この患者さんは初診時に抜歯した時、前歯部に殆ど骨が無い状態でした。一見、抜歯しただけではわからないのですが、骨の中は鍾乳洞のように空洞になっていました。できるだけ唇側の骨は残し、確実に歯根嚢胞を摘出しました。
GBRを行い、骨造成が完了した段階でCT検査を行い治療計画を立て、サージカルガイドを製作してインプラントを埋入しました。
いつもお話しているように、前歯部に対するインプラント治療では、骨を温存するため抜歯時即時埋入、あるいは早期埋入が良いのですが、この症例のようにそれができないケースもあります。その場合は、骨造成を行ってから待時埋入を行います。
ただ、待時埋入を行う際、骨造成を行っても多少は骨の萎縮、吸収が発生します。骨の吸収を前提に、どの程度多めに骨造成を行うかは術者の経験によると思います。よく歯科医療関係の書籍には何ミリという数字が書かれていますが、実際の臨床では、手術時のその場の判断で行うことが多いです。術者の豊富な経験とスキルが求められるのです。
審美部位において、1歯欠損に対するインプラント治療が非常に難しいとことは、よくこのブログでも書いています。この症例のように3歯欠損、4歯欠損の場合は、インプラントが適切なポジションに埋入されていれば、写真のように綺麗にブリッジを作ることが可能です。
この患者さんは今後、仮歯の支台歯として使っていた3歯も審美修復する予定です。ご本人もそれを強く望んでおられます。
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