嘔吐反射の強い患者さんにインプラント治療を行った症例
この方は60代の男性です。情報誌を見て来院されました。
左下に取り外し式の義歯を装着していましたが、固定式のインプラント治療を希望されました。
ただ、この患者さんには強い嘔吐反射があり、歯科衛生士による口腔内のクリーニングも難しい状態でした。
そのため当初はインプラント治療が行えるかどうか多少不安もあり、初診からインプラントのオペに至るまでの約2ヶ月間、歯科治療に慣れていただくことに努力しました。嘔吐反射は特に舌に触ると気持ち悪くなる傾向にあったので、その辺りを考慮して、手術、型取りをすることがポイントだと感じました。
ご本人にはこうした状態を説明の上、同意を得て静脈内鎮静法によるインプラント手術を行いました。併せて術中は舌に局所麻酔を打ち、嘔吐反射が無い状態を保ちました。
その結果、適切なポジションにインプラントを埋入することができました。数か月後には、綺麗な上部構造を装着できると確信しています。
手術後、この患者さんは「歯科治療に対してとても自信を持つことができたので、これからどんどん歯を治してほしい」とおっしゃって下さいました。
現在は、インプラントが骨に生着するまでの数ヶ月間、他の歯の治療を行っているところです。
今後は右上の臼歯部欠損に対してもサイナスリフトを行って、インプラント治療を行う予定です。
昨年10月、11月、12月と手術が多く忙しい状況でしたが、その中でも非常に印象深かった症例をご報告させて頂きました。
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