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審美領域にサージカルガイドを用いて抜歯即時埋入を行った症例

今年になってほぼ毎日インプラントの手術が入っていますが、上顎前歯部、つまり審美領域のインプラント治療が非常に多いように思います。外傷や根尖性歯周炎で抜歯しなければならないケースで、欠損した部位に対してインプラントで治療する患者さんが非常に増えています。 臼歯部のインプラントは機能重視ですが、前歯部のインプラントは、審美的な面も充分考慮したうえで埋入ポジション、埋入深度を決定していかなければ、最終補綴物を装着した時に臨在する天然歯との調和、対称性が獲得できず、患者さんの満足感が得られないケースが予想されるからです。 それを防ぐためには、インプラントの埋入時期がとても重要になると考えています。 埋入の時期には次の3つがあります。①抜歯後3~6か月ほど時間をかけ、骨が完全に治癒してから行う待時埋入、②抜歯後、1か月程度で行う早期埋入(アーリーインプラント)③抜歯した直後に行う即時埋入です。 審美領域の場合は、できるだけ抜歯直後に行う方が良い結果が得られます。しかも、歯科用CTやCAD/CAMシステムの発達によりサージカルガイドを制作することもできるので、それら最新治療機器を使いコンピューター上で設計した場所に正確に埋入することで、審美的にも機能的にも満足していただける結果が得られると思います。 こちらの患者さんは、50代の女性です。左上1番が外傷により歯根破折して来院されました。抜歯した直後、インプラント埋入を同時に行いました。 使用したのは歯牙支持型のサージカルガイドです。 抜歯即時埋入でガイドを用いて手術を行った場合、患者さんの外科的侵襲度は非常に少なくなります。 なぜなら従来の臼歯部に入れるインプラントと違い、骨膜や粘膜を切開、剥離しないフラップレス手術が可能だからです。 できるだけ口蓋側に寄せて埋入しました。当然、抜歯した歯とインプラントはサイズが違うので、その間に骨補填剤を緻密に充填することが可能です。 今後は、仮歯を装着してだいたい3ヶ月後に、今度はインプラントを用いた仮歯を作り最終補綴物に移行します。ただし、症例によっては埋入したインプラントをすぐに利用して仮歯を作ることも可能です。 私はできるだけ早期に負荷をかけない方針で治療を行っているので、先ずは取り外しできる義歯や臨在歯を用いた仮歯を装着し、インプラントが生着してから仮歯や最終補綴物を制作することにしています。
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