審美領域に仮歯を装着し患者さんの希望を聞きながら上部構造を製作中の症例
30代女性です。
4カ月ほど前、初診で来院されました。
上顎前歯部(①―1―②)にポーセレンのブリッジが入っていました。
その支台歯が抜歯の適応となり、インプラント治療を希望されました。
CT検査を行い、口腔内写真を撮り、歯周検査などを行ってから抜歯し、約1カ月後にインプラントを早期埋入しました。
まず、インプラントを使わない仮歯を装着して3カ月ほど待時し、第二段階としてインプラントを使った仮歯を装着しました。
審美領域の場合、当院では治療中もできるだけ患者さんのQOLを下げないように最終的な上部構造が入るまで固定式の仮歯を装着します。とくに前歯部では、歯の形や色、歯頚線が左右対称かどうかなどを、インプラントを使った仮歯で調整し、最終的な上部構造を装着します。どの患者さんもそうですが、いろいろな説明をしているうちに患者さんの要求度が次第に高くなり、歯冠乳頭の形を綺麗にして欲しい、歯の形を少し長くしてほしい、歯の色をもっと天然歯に合わせて欲しいなど細やかな要望が出てきます。
歯冠乳頭を綺麗に作るためには、インプラントを埋入する方向や深さ、歯と歯の接触点、アバットメントとの接合部分など様々な複合的要素を考慮する必要があるのです。
これは非常に神経を使う作業で、美しく作る技術はかなりの経験が必要です。患者さんのご希望を聞きながら、ことさら慎重に行っています。
術前の口腔内
インプラント埋入後のCT
アバットメント装着時
仮歯装着時
最終補綴物装着時
最終補綴物装着時パノラマ写真
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