糖尿病のリスクが高い患者さんに対し、体調のコントロールを行ってからサイナスリフトを行った症例
40代の男性です。
右側の上顎6番欠損で来院されました。
当院で長年インプラント治療を受けていた方ですが、地方にしばらく転勤となり、最近横浜に戻られたということです。この6番部にインプラントを埋入してほしいというご希望でした。
歯科用コーンビームCTで精査したところ、インプラントを埋入するには上顎洞内に骨増生が必要だとわかり、サイナスリフトを行うという治療方針を立てました。
この方は反対側にもサイナスリフトを受けた経験があるので、それほど抵抗なく準備に取り掛かったのですが、最近の血液検査のデータを見ると、HbA1cの値が8. 0%以上ありました。これでは、糖尿病のリスクが高く、術後の感染の心配もあります。内科にかかり、糖尿病のコントロールを行ってからインプラント治療を行うことにして、手術を3か月ほど延期しました。
場合によっては、インプラントではなく、5番6番7番のブリッジも治療方法の選択肢に入れて考えるようお願いしました。
経過観察していたところ、インプラント治療が可能な状態になったので、サイナスリフトを行いました。
手術では、できるだけ切開線を大きくしないで、感染が起きないよう術前の抗生剤の投与、術中術後の抗生剤の点滴も続けました。
その結果、炎症や腫れはほとんどありませんでした。
あとは通常どおり6か月待時して、上部構造の製作に取り掛かる予定です。
術前 CT画像
術後 CT画像
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