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「ザイブ インプラント システム」の臨床応用例 その1

本日は、「ザイブ インプラント システム」の臨床応用例をご紹介いたします。 ザイブインプラントとは、これまで治療が困難であった、インプラントの土台となる顎の骨が弱っている患者さん、無歯顎の患者さんでもインプラントを埋め込むことが出来るシステムです。 それならば、他のインプラントシステムと変わりないように感じますが、ザイブインプラントは、それだけでなく、さらに歯並びや美しい歯の色も追求できる「審美修復」の概念を元に考えられたものですので、ただ歯で食べ物が噛めるようになればいい、だけでなく、美しい歯並びや白い歯、自然な口元を手に入れることが可能なシステムなのです。 歯科用材料・機器メーカー『デンツプライ三金株式会社』より依頼を受け、「ザイブインプラントシステムの臨床応用例」について、当院の治療例をもとに原稿にまとめました。これがこのたび、インプラントを学ぶ歯科医のための専門誌に掲載され、全国に配布されました。 歯科医向けの文書であるため、専門用語が多くなっていますので、原稿を少し分かりやすくしたものを掲載します。

【症例概要】 患者は39歳女性。主訴は咀嚼障害および審美歯科治療希望であった。 初診時の口腔内所見は、上顎正中離開、歯冠崩壊、歯頸部う蝕、不良補綴物、多数歯欠損の放置など多くの問題を認め、咬合域が確保できず、機能・形態面ともに低下していた。 ザイブインプラントシステム臨床例 また、歯槽部顎堤幅の狭窄と対顎とのクリアランス不足が認められ、パノラマX線およびCT所見においても上顎臼歯部は高さ、幅径ともに著しい骨吸収が確認された。 ザイブインプラントシステム 治療方法は、右上臼歯6番5番および右下臼歯6番4番を抜歯、上顎両側臼歯部はサイナスリフト・ベニアグラフトにて骨量獲得し、同部にインプラント埋入した後、審美補綴治療を行うこととした。 静脈内鎮静下において左上前歯3番部にインプラント埋入し、左上臼歯5番6番7番部にサイナスリフト施行(lateral window法:オトガイ部から骨髄採取・充填)。 同時に左上臼歯4番部にはオトガイ部から皮質骨ブロックを採取し、ベニアグラフトを施行した。 ザイブインプラントシステム臨床例 2ヵ月後、静脈内鎮静下において右上臼歯6番5番4番部にサイナスリフト施行し、4ヶ月経過時に左上臼歯4番にインプラント埋入した。その際、十分な初期固定が得られた。 ザイブインプラントシステム臨床例 最終補綴・審美歯科治療終了後、機能的にも十分な咬合関係が得られ、形態的・審美的にも改善され患者の満足も十分得られた。 ザイブインプラントシステム臨床例 ザイブインプラントシステム臨床例 ザイブインプラントシステム臨床例 最終補綴治療終了時、パノラマX線所見においてインプラントは骨植良好であった。現在、インプラント埋入後2年経過し、良好な結果が得られている。 ザイブインプラントシステム臨床例 【考察】 臼歯部が欠損し義歯の使用が必要であるにも関わらず、違和感により義歯を装着せず機能および審美性が著しく低下しているケースは稀ではなく、そのような患者に対し、インプラント補綴は一つの有効な選択肢となる。特に、本症例のように多数歯欠損や不良補綴物などのため咀嚼障害・審美障害を主訴とし、歯槽骨の廃用萎縮を認める患者に対し、初期固定が得やすいザイブインプラントを用いた補綴治療は非常に有用である。 上顎洞底や歯槽骨の吸収が進行している場合でも、適切な骨造成術により骨量を確保することで、埋入時の初期固定は十分に得られる。 またザイブインプラントはその特長である「ルートフォーム」により、抜歯即時埋入や骨質の悪い上顎症例でも安全に手術が行えるという利点がある。 さらには、インプラント径によりプラットフォームスイッチングが可能であり、インプラント周囲の骨吸収を抑制し、装着した上部構造の周囲歯肉は天然歯歯肉と同様の美しい仕上がりが得られる。 咀嚼障害・審美障害を主訴とする症例において咬合の再構築を念頭に置いたザイブインプラント審美歯科治療は有用性が非常に高い。
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