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下顎前歯部の一歯欠損におけるインプラント治療とその症例

下顎前歯部の一歯欠損におけるインプラント治療とその症例

下顎前歯部のインプラント治療は、非常に難しいケースと簡単なケースに二極化されます。実際は難しいケースの方が多いのですが、その理由はこの部位の歯は小さく、骨量も少ないからです。

一歯欠損の場合、インプラントを埋入するエリアはかなり限定されます。下顎前歯部に美しい歯を作るためには少し舌側に寄せて埋入しますが、埋入する方向や角度も規制されます。

そして骨の厚みも左右の幅も少ないため、使用できるインプラント体の種類が限られます。世界の主要メーカーは、下顎前歯部に対して直径3.0ミリから3.3ミリのインプラントを用意しています。当院で使用するのは直径3.0ミリで、骨の吸収の少ないプラットホームシフティングという形状のものです。

骨量が豊富な患者さんの場合はサージカルガイドシステムを使用することも可能ですが、骨が薄く尖った形の場合は埋入の方向がぶれやすく難しいです。

写真は、20代の女性です。事故による外傷で下顎前歯部の歯根が折れ、インプラント治療を希望して来院されました。この症例ではガイドシステムを使わず従来の外科的治療を行ったので、骨の治癒を待って新しい歯を装着しました。術後の経過も良好で、天然歯とよく調和した歯を作ることができました。

もし仮に、下顎前歯部にガイドによるフラップレス手術を行えるとなったとしても、インプラント体の種類によっては3.0ミリ用のガイドシステムが無い場合があります。当院で現在よく使用していEVインプラントは3ミリ用のガイドシステムがありません。そのため当院では、3.0ミリのXiveインプラントのガイドシステムを使い、EVのインプラント体を埋入しています。2つのインプラントシステムを組合わせることで、より良い治療結果が得られるのです。

ただし、この方法はインプラント体のシステムや形状を熟知していなければできない技術です。

術前 CT画像

術後 CT画像

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