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下顎臼歯部(中間歯欠損)のインプラント治療

インプラント治療の中で、最も多い部位と言えるのが下顎臼歯部です。2022年に当院で行ったインプラント治療のうち、下顎臼歯部は35%でした。

奥歯を失った時の治療方法の選択肢は①ブリッジ②取り外し式の部分入れ歯③インプラント治療の3つです。最近は健康な歯を削りたくないというニーズが高いため、ブリッジよりもインプラント治療を希望する方がかなり増えています。

他の部位に比べ、手術自体は簡単な症例が多いのですが注意すべきポイントがいくつかあります。最も重要なポイントは、CT検査を行い、下顎骨の形態や骨質、骨量、下顎管(骨の中を走行する神経)の位置などを十分把握してインプラントを埋入するポジションを決定することです。

埋入ポジションは隣左歯のど真ん中が良いのですが、骨幅で言うと少し舌側に寄せています。中には下顎骨の舌側がS字状になっているケースもあり、インプラント体を傾斜させて埋入することもあります。埋入するオペ時間は1本あたり15分ほどで短いですが、埋入する方向のシュミレーションは念入りに行います。

中間歯欠損の場合、両隣に歯が存在するためブリッジという選択肢もあります。必ずしもインプラントが良い治療というわけではなく、CT検査の結果、インプラントの埋入が難しい場合は、ブリッジを選択するケースもあります。

このように患者さんのニーズ、解剖学的な状態によって、ブリッジなのかインプラントなのかを指示し、医療面接で充分に説明することが大切です。対合歯や両臨在歯の将来性までも考慮して、治療計画を立てるようにしています。

最近、とくに若い先生方はサージカルガイドを使ってフラップレスでインプラントを埋入する傾向にあるようです。ガイドを使った手術を当院でも採用していますが、従来の骨膜粘膜を剥離して埋入する技術力は身に着けたほうが良いと思います。ガイドばかりに頼っていると、何かあった時に対応する基礎的な技術が身につかないためです。

CTの精度も重要で、例えば下顎管の位置を間違ってしまうと、大変なことになります。ガイドの設計もメーカーに丸投げするのは良くありません。何か予定外のことが起きたときに、自分でリカバリーできる技術力を身に着けることが重要だと思います。

下顎骨の形態に合わせて埋入されたインプラントのCT(2方向)

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