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サイナスリフトの手術が続きました

サイナスリフトの手術が続きました

昨年末はサイナスリフトを行う手術が多く、前半の2週間に続けて4件行いました。

サイナスリフト(上顎洞底挙上手術)は時間もかかるので、とくに集中力を必要とする手術です。様々なリスク回避をしながら、症例ごとにやり方を変えて行います。手術を始める前に、入念な治療計画、手術計画も行わなければなりません。

患者さんによくお話しすることですが、「私は絶対に手術を失敗しません」とは言えません。うまくいかなかった場合に備えて、必ず事前に第二の方法、第三、第四の方法の説明をします。でもなぜか、第一の方法でいつも終わる。その理由は、これまでの経験に加え、リスク回避の方法がわかっているからだと思います。

この4件のサイナスリフトを伴うインプラント埋入手術は、それぞれに難しさが違いました。

1症例目は、上顎洞底部の解剖学的な形態が複雑で、尖った部分(隔壁)が多数ありました。

2症例目は、他院で上顎臼歯部にインプラントを埋入した患者さんですが、上顎洞の存在を全く無視してインプラントを上顎洞に穿孔させ、突き抜けたまま上部構造を装着していました。他院では「突き抜けていても問題ないから」と言われたそうですが、その言葉に不安を感じセカンドオピニオンを求めて当院を受診したそうです。

3症例目は、高血圧症の患者さんでした。ご自身はその自覚が無かったのですが、初診時に当院で血圧を測定すると、最高血圧が200以上ありました。診察の時だけ高くなる白衣性高血圧とも思いましたが、念のため循環器内科を受診していただきコントロールしてから手術を行いました。事前のCT検査で、上顎の側方の骨が非常に厚いことがわかっていたので、窓開けに苦労することも予測できていました。

4症例目は、上顎洞の側壁に走行する後上歯槽動脈が太いため、それを回避しながらラテラルウィンドウテクニックで行いました。この方は洞底部既存骨が少なく、ショートインプラントという選択肢はありませんでした。

このように当院には、上顎臼歯部にいろいろな問題を抱えて来院される方がたくさんいらっしゃいます。それぞれ、患者さんのリスクファクターを充分に考慮して、手術方法を考えなければなりません。これらの症例についての経過は、後日あらためてこのブログで説明する予定です。

術前 CT画像

術後 CT画像

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