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サイナスリフト(ラテラルウィンドウテクニック)

このところ当院では、サイナスリフト(上顎洞底挙上手術)の件数が多いと感じています。

5月と6月で、既に7件のサイナスリフトを行っています。手術はほぼ毎日行っており、日によっては1日に2件のこともあります。

ある歯科大学病院で、2年間に行ったサイナスリフトが36件とインプラント学会誌に書いてありましたが、大学病院2年分を当院では半年で行っていることになります。それだけ、上顎臼歯部の欠損補綴に対するインプラント治療のニーズが高いということ、そして、それを充分に行える歯科医院がまだ少ないということだと思います。

サイナスリフトは、難易度の高い手術です。口腔外科の専門医ですら、約20%の割合で上顎洞粘膜を損傷するというデータもあります。

当院では、ほとんどありません。万が一のため特殊なリカバリーの方法を何種類か知ってはいますが、それも2年に一度やるかやらないかの頻度です。

その理由は経験や慣れもありますが、術前の準備段階で治療に対するリスクや解剖学的な注意点を充分に理解し、そのうえで手術に臨んでいるからだと思います。そして静脈内鎮静法を的確に行ってくれる歯科麻酔専門医と手術に携わってくれる歯科医や歯科衛生士らスタッフの協力の賜物だと思います。

これだけの件数を行っているスタッフにとっては、サイナスリフトを行って当たり前、上顎臼歯部のインプラント治療が成功して当たり前になってきているかもしれません。治療計画にも、当たり前のようにサイナスリフトが組み入れられています。
あるスタッフは「ほかの歯科医院ではサイナスリフトができなくて、上顎臼歯部は部分入れ歯やブリッジにして済ませているところも多いのではないでしょうか」と話していました。

当院で一度上顎臼歯部のインプラント治療を受けた患者さんは、反対側にも必要になった場合、同じ手術をお願いしますとおっしゃる方がほとんどです。医療従事者(医師・看護師)の患者さんも多く、サイナスリフトが普通の手術に比べて外科的侵襲度が高いと説明する場合も、そのことをよく理解してくださり、インフォームドコンセントが非常にスムーズであると感じます。

術前 CT画像 

術後 CT画像

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