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上顎洞底挙上手術を行い、2回法でインプラントを埋入した症例

50代の男性です。 以前は遠方から時間をかけて通院されていたのですが、最近仕事の関係で都内に引っ越して来られ、通院しやすくなったということです。 左上の5、6、7番欠損で、固定式の歯を入れて欲しいと再来院されました。 仮歯の段階も入れ歯にしたくないというご本人の強い要望があり、左上の4番と8番を使ったブリッジを装着し、仮歯にしました。 CTで検査したところ、重度の垂直的な骨吸収があったため、ショートインプラントを埋入するだけでは、インプラントの長さと新しい歯となる上部構造の長さのバランスが悪いことが分かりました。つまり、上部構造を支えるだけの土台が足りないということです。 そこで、上顎洞底挙上手術を行い、13ミリ位の長いインプラントを埋入してはどうですかと説明したところ、お任せしますという返事をいただきました。 一気に3本埋入するつもりでしたが、最後の7番部の骨が非常に柔らかかったため、2回法に切り替え、7番部は上顎洞底挙上手術だけ行い、4か月後にインプラントを埋入することにしました。 上顎洞の底部にはいろいろな壁があり、平らではありません。中には挙上する際、頬骨の窓を開ける場所を2か所にした方が良い場合があります。この症例では、前方と後方の2か所の穴をあけました。最終的に穴はつなげて、1つになります。 こうした方法は時間がかかりますが、確実に成功に導くためには、安全で安心な方法を駆使して治療を行う必要があります。 このように、術中に起きる様々な状況にも臨機応変に対処できるのは、経験によるものが大きいと思います。 症例によって発想を切り替え、次の一手を考えます。 オペレーターに経験がないと、悩む時間が長くなり、その分無駄な時間がかかって外科的侵襲度も高くなってしまいます。 このように6月は、毎日手術がありました。上顎洞底挙上手術だけではなく、前歯部の審美領域のインプラント治療、臼歯部における遊離端欠損など内容は様々で、ひととおり全ての部位を手術したように思います。
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