最近の治療の現場で思うこと
おかげさまで、11月末まで、私のスケジュールは全て埋まりました。 インプラントの手術だけでなく、最近は多数歯抜歯とか骨造成などの治療のため、歯科麻酔専門医を呼んで静脈内鎮静法を用いて行う手術が多くなっています。
一日に、2件、3件の手術も行っていますが、最近、静脈内鎮静法が多いと感じるのは、高齢の有病者の外科治療が増えているからだと思います。歯科医師は、どうしても歯に関しての専門的知識を追求しがちですが、単に歯の修理屋ではなく、もっと広く全身症状についても把握していかなければならないと思います。それほど、糖尿病、高血圧、心臓病、骨粗しょう症などの有病者が多いのです。
ご高齢の有病者に対する治療を安心安全に行うには、静脈内鎮静法を用いるのが有効だと感じています。手術中に、隠れ有病者を発見することもあります。例えば、手術中に心電図をとったら不整脈を多発しているケースもありました。 麻酔専門医の見守る中、その外科手術は無事に終わりましたが、一度、循環器内科を受診した方が良いとお伝えします。それが結果的に、患者さんの生命を救ったケースもありました。冠動脈瘤が見つかったとか、多発性期外収縮が見つかったこともありました。
高血圧や糖尿病の患者さんは、定期的にかかりつけ医を受診して体調をコントロールしている方が多いと思います。一方、自覚症状が無く、かかりつけ医を持っていない方が歯科で外科治療を行い、心電図や心拍数などを測定し、モニタリング検査を受けながら診療すると、不整脈が発見されるというケースも少なくありません。
当院でお願いしている歯科麻酔専門医は、元大学教授で、いざという時は的確な診断を下してくれているので安心です。 このようにして5月、6月、7月と、毎日手術が入っている状況が続いています。
PAC(心房期外収縮)
PVC(心室期外収縮)
インプラント手術中にPAC発症
インプラント手術中にPACとPVC発症
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