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静脈内鎮静法の使用範囲が広がりました

今年9月から、歯科麻酔専門医を一人増員しました。これにより、これまで一日に1,2件だった静脈内鎮静法による手術を、3件以上行えるようになりました。

当院では、静脈内鎮静法を行う手術には必ず歯科麻酔専門医が立ち会います。

静脈内鎮静法は、静脈内に点滴で鎮静薬を投与し、うたた寝したような状態で手術を受けられる精神鎮静法です。上顎洞底挙上手術やインプラントの多数数埋入など極度の緊張を伴う治療にとくに有効ですが、それだけに留まりません。ご高齢の方や高血圧症、心臓病、糖尿病などの全身疾患を持つ患者さんの外科治療、歯科治療をより安心安全に行うことができます。

9月以降はインプラント治療だけでなく一般歯科治療、口腔外科治療にも静脈内鎮静法を取り入れ、リラックスした状態で治療を受けていただくことができるようになりました。

この写真は、最近インプラント手術を2回行った患者さんです。約1か月前に1回目の手術で4本のインプラントを埋入しました。その時は静脈内鎮静法を使ったため、「インプラント手術は簡単で怖くない」と思ったそうです。その一週間後、もう1本追加でインプラントを埋入する際は、「1本だから麻酔科の先生を呼ばなくても大丈夫です」とおっしゃり、静脈内鎮静法を使わないで行おうとしたのですが、怖くなって手術を中止してしまいました。

結局、麻酔科医のいる日に予約を取り直し、静脈内鎮静法を使って1本のインプラントを埋入しました。オペ時間は8分で、何事もなく終わりました。

この患者さんは高血圧とか心臓病などの基礎疾患は無いのですが、歯科治療に対する恐怖心が強く、精神的にナイーブです。このような場合は、静脈内鎮静法が有効だと思います。

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