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70代後半の患者さんに対し1回のオペで7本の抜歯と5本のインプラント抜歯時即時埋入を行った症例

70代の男性です。左上の3番から右上の4番まで抜歯し、左上4番、3番、1番、右上1番3番にインプラント抜歯即時埋入を行いました。 前歯部の審美領域にインプラント治療を行う場合は、抜歯即時埋入または早期埋入が理想です。中には根尖部に病巣があるケースがあり、その場合は治癒を待って早期埋入を行います。 この症例では、根尖部に何も病巣が無かったので即時埋入となりました。80歳に近いご年齢ですが、手術の翌日来院された際、痛みも腫れも全くありませんでした。 ご高齢でありながら7本の歯を同時に抜歯し5本のインプラントをすぐに埋入しても、外科的侵襲度は少なかったということです。 ただしこのようなケースでは術前に模型上のシュミレーション、歯科用コーンビームCTによる精査を行い、そのデータをもとにインプラントの埋入ポジション、埋入深度、方向、種類を充分に計画して、サージカルガイドを用いて精度よく短時間で埋入することが重要です。 3か月後には、インプラントを用いた仮歯を装着し、最終補綴物を作っていきます。 今回このような方法で手術を行った理由は、何度も外科手術を受けたくないというご本人の希望があったからです。1回目に歯を抜き、2回目に抜歯窩に人工骨を補填するソケットプリザベーションを行い、3回目にインプラントを埋入するという度重なる外科手術は、80歳近い患者さんにとって相当な苦痛です。我々治療する側も外科的侵襲をできるだけ与えたくないと考えました。 全ての症例で行えるわけではありませんが、CTやレントゲンで精査して即時埋入が可能な場合は、多数歯の抜歯と多数歯のインプラント埋入も、ほとんど侵襲なく腫れも痛みも伴わずにできることがあります。 術中は抗生剤と痛み止めなどの点滴を行いましたが、翌日からの点滴は一切なく、3~4日の経口投与のみ行いました。
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