セカンドオピニオンのすすめ
このところ、当院にはセカンドオピニオンを求める患者さんが次々に来院されています。
先日、他の歯科医院でインプラント治療を勧められたという30代の女性が来院されました。その歯科医院で自由診療のジルコニアを使ったブリッジを製作したところ早期に壊れてしまい、その部位をインプラントで治しませんかという提案をされたそうです。
ただ、その医院では、世界の一流メーカーのインプラントを使用すると患者さんに言いながら、実際にはアジア製の安価なインプラントを使おうとしていたようです。この患者さんはとてもスマートな方で、「話が怪しい」と感じ、一流メーカーS社はどこの国の製品ですかと質問したところ、スイス製なのに間違った国名を答えたそうです。その医院のHPを見ても、日本で認められている学会の専門医ではなく、現在ほぼ活動休止状態の海外の学会の指導医だと謳っています。
そこでこの患者さんは、私が毎月記事を掲載しているはまかぜ新聞の「専門医の必要性」という記事を読み、不審に思ってセカンドオピニオンを求め当院に来られたということです。
アジア製インプラントが悪いと言っているわけではありません。私が信頼している先生は、韓国製を使って多くの患者さんの治療をされています。
患者さんに、ヨーロッパ製と伝えながらアジア製のインプラントを使おうとしたことが不信感へとつながりました。
また、インプラントの価格に差をつけて(俗に言う松竹梅)、どれにするか患者さんに選択させる歯科医院もあるようです。治療費によって材料を変えるという考え方に、私は大反対です。当院では、ドイツ製、スウェーデン製、スイス製のインプラントを使用していますが価格はどれも同じです。選択の基準になるのは、その患者さんの骨の状態、噛み合わせの状態、両臨在歯や隣に埋入されているインプラントなどの口腔内の状態です。それらを考慮して、使用するインプラント体の種類を変えています。本来、インプラント体の種類を選ぶのは患者さんではなく、口腔内を知っている歯科医であるべきです。
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