上半期を振り返って
早いもので、今年も半分が終わりました。折り返し地点で上半期を振り返ってみました。
やはり、インプラント手術は毎日行っています。このペースで行けば、1か月に25日働いたとして12か月で計算すると、年間約300件の手術を行うことになると思います。
7月の時点で、既に8月9月10月の予約がほぼ埋まり、11月の予約が入り始めています。
今年の上半期の手術の特色は、サージカルガイドを使って高齢者に対し一度に8本とか10本という多数のインプラントを埋入する手術が多かったことです。もちろん、若い患者さんで、上顎の3番から3番という審美領域へのインプラント治療を希望する方、サイナスリフトも多かったと思います。
今年の上半期で20件、サイナスリフトを行いました。このペースなら、年間で40~50件になると思います。それだけ、多くの患者さんが上顎臼歯部に対するインプラント治療を希望されています。他院では難しいからできないと言われて紹介されたり、インターネットで情報を調べたりした結果、当院に来院されたということです。
今は、サイナスリフトを低侵襲に行えるような器具が開発されています。それを使えば、確かに低侵襲で良いのかもしれませんが、全ての症例には適用できません。上顎臼歯部に大掛かりな骨増生を行う場合は、これまで私が行ってきたようなラテラルウィンドウテクニックが確実です。
ラテラルウィンドウテクニックによるサイナスリフトは、高い技術を要する手術です。 オペに一緒に入っている歯科医師や歯科衛生士は、私が失敗することは無いと思っているようですが、ポイントポイントで難しい場面があり、私自身はその時々でプレッシャーを感じています。
従って、オペに一番必要なのは、集中力だと思います。約1時間半から2時間、ひと時も気が抜けません。薄いティッシュペーパーほどの粘膜を傷つけることなく上顎洞底から挙上しなければなりません。その上で、適切な場所と深度にインプラントを埋入し、そのインプラント体の周りに骨補填材を充填します。なおかつ、感染しないよう綺麗に縫合します。どのステージも気を抜けないので、かなり疲れます。
しかしながら、この手術を行わなければ、上顎臼歯部に固定式の歯を入れられない、全顎的なインプラントブリッジを入れられないという患者さんがいらっしゃいます。それを考えると、やりがいのある仕事だと思います。1995年からずっとこの手術を行ってきました。受けた患者さんからは高い評価をいただいており、これからも頑張って続けていくつもりです。
先日見たインプラント学会の資料に、ある私立歯科大学のインプラント科の統計が載っていました。私が行っているラテラルウィンドウテクニックによるサイナスリフトの件数は、その大学歯科病院では2年間で36件だそうです。
当院では年間300件のインプラント手術を行っています。その内の40~50件はラテラルウィンドウテクニックによるサイナスリフトを行い、それを20年以上続けています。今後も続けていかなければならないと思っています。
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