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上顎前歯部に歯根破折を起こした患者さんに、ガイドシステムを用いてオペ時間10分でインプラントを埋入した症例

上顎前歯部に歯根破折を起こした患者さんに、ガイドシステムを用いてオペ時間10分でインプラントを埋入した症例

20代の男性です。スポーツ関係の仕事をされている方ですが、外傷により上顎前歯部に歯根破折を起こして来院されました。

抜歯後、人工骨を補填して、歯牙支持型のサージカルガイドを用いてインプラントを埋入しました。

使用したインプラントのはオッセオスピードEVで、直径3.6ミリ、長さは13ミリです。歯肉縁よりも4.5ミリ以上深く埋入しました。

オペ時間は約10分です。この症例は、骨の頬舌的な幅も鼻腔底までの距離も充分あったので、骨膜や粘膜の剥離を行わないフラップレス手術に適していました。

ガイドシステムによるインプラント埋入については、本来はガイドの適応症でないにも関わらず便利であるという理由で使ってしまう傾向があるようです。

やはり、インプラント治療を始める若い先生方は、従来の骨膜粘膜を剥離し、骨を直視して埋入する方法を習得した方が良いと思います。その上で、ガイドシステムの利用するのでなければ、万が一ガイドの精度が落ちた場合や手術中にガイドを落として破損した場合、手術を中断しなければなりません。

もちろん、ガイドシステムは低侵襲で優れた治療法ですが、当院の若い先生方には、「ガイドを使う方が良いのか、従来の方法が良いのか症例を充分に見極めて判断するように」と指導しています。

オペ時間が短かったので、「こんなに簡単に終わるんですか?」と患者さんはビックリしていました。翌日消毒に来院された時、腫れも痛みもありませんでした。

術後 CT画像

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