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上顎前歯部に直径1.5センチの歯根嚢胞がある患者さんに対し、CT検査とカウンセリングを行った症例

上顎前歯部に直径1.5センチの歯根嚢胞がある患者さんに対し、CT検査とカウンセリングを行った症例

20代の女性です。右上の2番、3番あたりが腫れてきたという主訴で来院されました。

CTで検査したところ、直径約1.5センチの歯根嚢胞が確認されました。

お顔に見覚えがあると思ったら、「先生、10数年ぶりにお会いできました」とおっしゃり、幼少の頃に私が治療していた方だとわかりました。仕事の都合でなかなか当院に来られず、しばらく他院で治療していたということです。他院での根管治療が適切ではなかったため、根尖部に病巣ができたようです。

右上の2番と3番欠損の場合、ブリッジを作るためにはその反対側の左上1番、右上1番と4番の計3本を削らなければできません。しかしながらこの患者さんの場合、その3本はこれまで一切削られていない健全歯です。

私はこの患者さんを小さい頃から治療しているので、「もしあなたが私の娘だったら、その3本のきれいな歯を削ってブリッジを作る治療は受けさせたくないです」とお話したところ、ご本人も「健康な歯を削りたくない、インプラントにしたい」とおっしゃいました。

ただこの方はまだ20代で、働き始めたばかりです。「高額な治療費は大変だから、何らかの形でご両親に協力してもらう必要があるかもしれませんね。次回はお母さんと一緒に来ていただいて、もう一度、私がご説明します」と伝えました。

ただし、直径1.5センチの歯根嚢胞が骨内に存在するということは、その嚢胞を摘出し骨補填剤を使って骨造成を行ったとしても、インプラント治療ができるかどうかはまだ確約できません。3か月後、6か月後に再度CT検査を行い、骨がちゃんとできているかどうか確認しなければインプラントを埋入することはできません。 もし骨ができたとしても、期待した骨造成より骨量が少ない場合もあります。骨造成の出来具合によって、再度シュミレーションしてご相談したいと思います。

術前 CT画像

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