上顎臼歯部に対し心電図で全身管理を行いながらショートインプラントを埋入した症例
60代の女性です。
左上の第一大臼歯欠損に対して、インプラント治療を希望されました。
治療計画を立てるためには、術前のCT検査が必須です。そのうえで、骨の質、ボリューム、そして解剖学的な状態を検査します。
例えば、下顎の場合は下顎管の位置、上顎臼歯部の場合は、上顎洞との位置関係を充分に精査するのは当然のことです。
この症例では、6~8ミリのショートインプラントを埋入するか、上顎洞底挙上手術を行い、骨造成をしつつインプラントを同時に埋入するかという2つの選択肢がありました。
この方は、「年齢のこともあるし、低侵襲の手術で欠損補綴が可能ならばそちらを選択したい」ということで、ショートインプラントを使って手術を行いました。
ショートインプラントは各メーカーから発売されていますが、今回使用したのはスウェーデン製です。
ショートインプラントを用いる場合は、できるだけ直径が太いものを選びたいと思っています。そして、インプラントの上に骨が覆いかぶさるプラットフォームシフティングのインプラントを選択しました。
手術時間は約15分でした。この方は上顎洞底挙上手術を希望しませんでしたが、心電図を使ったモニタリングを行いました。術中に不整脈を発生することなく、血圧、心拍数などの循環動態も安定していました。
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