交通事故で損傷を受けた前歯部に対しインプラントで審美修復を行った症例
20代の女性です。交通事故による外傷で、上顎の両側の中切歯に損傷を受けて来院されました。
右上の中切歯(1番)は歯根破折のため抜歯の適応症となり、左上の中切歯(1番)は歯冠破折のため、根管治療が必要でした。
治療の選択肢は、ブリッジによる歯冠修復・欠損補綴か、インプラントを用いて治療を行うかの2択でした。
患者さんはできるだけ自分の健康な歯は削りたくないということで、歯根破折を起こした右上1番に対してはインプラント、歯冠破折を起こした左上1番に対しては根管治療後、審美修復を行いました。
右上1番のインプラントは、抜歯後即時埋入という方法です。
3か月後に仮歯を装着して両側の中切歯(1―1)の形態を整え、患者さんとのコミュニケーションで歯の色や形を決め、最終補綴物を装着しました。
最近は、臼歯部だけではなく前歯部に対するインプラント治療がとても多くなっています。交通事故による外傷に限らず、前歯部の審美修復を求めて来院する方が毎週1,2名はいらっしゃいます。
今回は、デンツプライシロナ社のXiveインプラントを使用しました。セット後の写真をご覧になるとわかるように、どちらがインプラントか区別がつかないほどきれいに仕上がり、ご本人もご家族も充分に満足していらっしゃいました。
最近は、多くの歯科医院でインプラント治療を受けられるようになりました。その中で当院を選んで来てくださるのは、歯の仕上がりがきれいであること、そしてインプラントが10年、15年もって当たり前という長期的な成功症例が口コミで広がっている結果かもしれません。
審美領域におけるインプラント治療で一番難しいのは、出来上がった歯の歯頚線(歯と歯茎の境目の線)が自然で、左右対称でなければならないという点です。なお且つ、自然な歯頚腺のラインが長期的に保たれるということが重要だと思います。
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