前歯部に対しサージカルガイドを用いてアーリーインプラント治療を行った症例
20代の女性です。サージカルガイドを用いてインプラント手術を行いました。
右上1番が、根尖性歯周炎のため抜歯の適応症でした。そこで、ブリッジで治すか、インプラントで治すかという二者択一でしたが、両隣在歯は健康なため、当然歯は削りたくないということでインプラント治療を選択されました。
抜歯したところ、根尖部に大きな感染巣があったので、抜歯即時埋入は行わず、抜歯窩の治癒を待ってから1ヶ月程度で手術をするアーリーインプラントを行った症例です。
使用したのは歯牙支持型のサージカルガイドです。理想的な深度、ポジションに埋入することができました。
前歯部のインプラントは、3ヶ月後にそのインプラントを使用した仮歯を装着して、患者さんの希望する歯の色を選択し、形を調整して最終的な補綴物を装着します。
臼歯部の場合は機能重視のため、最終補綴物を決めるのにさほど時間をかけないのですが、前歯部の場合は審美的な要求が高いので、とくに若い女性の場合は患者さんのニーズに合わせた歯を作るよう心がけています。
この手術も10分~15分で終わりました。骨膜や粘膜を一切開かないで行うフラップレス手術で、術後の痛みも腫れもありませんでした。まさしく低浸襲のインプラント治療と言えるでしょう。
最近、低浸襲という言葉が私の治療のキーワードではないかと思うようになりました。今年9月、当院は30周年を迎えます。今から20年前、私の治療スタイルとして腸骨移植や仮骨延長、大掛かりな骨造成を行ってきたのですが、最近はとくに低侵襲な治療を心がけるようになりました。
それは、当院の患者さんがだんだん高齢化してきたことも関係していると思います。やはり、患者さんの年齢やニーズに合わせたインプラント治療を提供できるようにならなければと考えています。
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