将来行うインプラント治療を考慮に入れて大きめのサイナスリフトを行い、2本のインプラントを埋入した症例
50代の男性です。左上の6番7番欠損で、インプラント治療を希望して来院されました。
CT検査の結果、7番部は8ミリのショートインプラントの埋入が可能でしたが、6番部はサイナスリフトを行わなければインプラントを埋入できないことがわかりました。
この症例で難しいと思った点は、上顎洞底部に高くて尖った隔壁があったことです。実際にはこの隔壁が、7番部にインプラントを埋入する時の目印になりました。
2本のインプラントは簡単に埋入できましたが、この患者さんの将来を考えると、隣の5番の失活歯が何年もつかが問題だと思います。おそらく4、5年後にはインプラントが必要になるのではないかと予測できました。
従って、5番部のサイナスリフトも平行して考え、窓を二つ開けて5番部も含めた大きめの上顎洞底挙上手術を行いました。
単に欠損部の補綴だけを考えるのではなく、患者さんの将来を考えた骨造成を行うことが重要です。そのための追加費用を余分にいただくわけではありません。数年後、5番部にインプラント治療を希望された時に、侵襲の少ないオペが出来ることは、患者さんにとって望ましいことです。
この症例で使用したインプラントは、既存骨に埋入した7番がEVで、サイナスリフトを行った6番はXiveです。将来どのようなことが起きるか考えた上で選択しています。これは、長期的な治療を行ってこそわかることだと思います。
術後 CT画像
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